法政大学、勝負強さを見せ明治大学に2連勝！｜明治×法政 2回戦

◇明治2-5法政
16日・小野路球場

法政の先勝で迎えた法政×明治の2回戦。初回から試合が動くも、持ち前の投手力と勝負強い打撃陣の活躍で法政が粘り勝ち、見事勝ち点を獲得した。

明治の先攻で始まった明治×法政の2回戦。初回の攻撃で勢いづけたい明治打線は、法政の先発・朴澤一徹(県立大船渡)に対し1,2番を簡単に抑えられ2アウトとなるも、続く3番・築地星流(明治大学付属中野八王子)が初球の甘く入ったカーブを完璧に捉え、レフトへ豪快な本塁打を放ち先制に成功。明治は今季初勝利に向けて幸先よく試合のスタートを切ることができた。

しかし、明治が先制した直後の1回裏。法政は1アウトから好調の2番・東翔大(県立金沢桜丘)が内野安打で出塁すると、続く3番・掛場大直(都立小山台)の右中間へのツーベースヒットの間に1塁から一気に生還し、あっという間に試合を振り出しに戻した。この試合で打順を3番に上げた主将・掛場は、「初回に失点したので、すぐに追いつきたいという気持ちが結果に出たと思います。よく東が走ってくれました。」とこの同点の場面を振り返った。

明治は4回表に相手のワイルドピッチで再び1点のリードを掴んだが、その裏の法政の攻撃。先頭の6番・酒井大雅(県立日立第一)が死球で出塁した後、代打で出場の宮本寛人(日本大学第二)のヒットと盗塁で、2アウト2,3塁とし、リードを許した直後の攻撃ですぐさま逆転のチャンスを作る。そして、勝負強さが持ち味の1番・石橋友(県立塩尻志学館)のレフト前ヒットで2点を奪い逆転を果たした。これ以上法政に得点を許せない明治は、先発・成尾朋紀(熊本学園大学付属)から2番手・太田壮一郎(川越東)への継投を決断した。

さらに5回裏の法政の攻撃。4回途中から登板した明治の2番手・太田は、この回先頭の4番・新川圭祐(県立長良)、5番・木下翔馬(市川)を四球と味方のエラーで出塁を許してしまう。0アウト2,3塁の場面から、続く6番・酒井、7番・小澤翼(日本大学藤沢)に対し丁寧な投球で2つのアウトをとり、2アウト2,3塁としたところで迎える打者は8番・林寿樹(花咲徳栄)。1点でも多くリードを奪いたいこの場面に林は、「チャンスで前の打者2人が凡退したので、法政の流れを止めたくなかったです。」とこの打席に臨んだときの心境を語った。意地を見せた林はレフトへのクリーンヒットで2人のランナーを返し、法政はリードを3点に広げることに成功した。2試合ぶりのヒットを放った林は、「今シーズンはあまり調子が上がらず、ここぞという場面で結果を出せていなかったので、やっと結果を残せて素直に嬉しいです。」とこの打席を振り返った。

6回以降は、両チームともに出塁は許しても得点は許さない丁寧な守りを見せた。明治は7,8回とマウンドに上がった3番手・益山直己(明治大学付属明治)の威力のある速球とキレのある変化球を武器に、法政打線を無失点に抑え込み味方の逆転を待った。しかし明治打線は、6,7回と尻上がりに調子を上げる朴澤と8回から登板した福田壮汰(川越東)の安定感のある投球を前に、打線を繋げることは叶わなかった。そのまま、安定した守りを見せた法政が明治打線の反逆を許さぬ内に9回を守り切り、勝利を収めた。

明治との2戦を制し、勝ち点を獲得した法政の主将・掛場は、「毎回、試合を作ってくれるピッチャー陣には感謝です。この試合も良いリズムで試合を進めることができました。守備陣も試合を経験するごとに堅くなり、打線はどこの打順からでも得点が期待できる状態です。チーム全体が噛み合っていると思うので、自信を持ちつつ気持ちをより引き締めて試合に臨んでいきたいです。」と好調の法政の現状を振り返るとともに、次戦に向けての意気込みを語ってくれた。

延長タイブレークまでもつれ込んだ1回戦同様、両チーム持ち前の投手力により緊張感のある試合展開が予想されたが、初回からホームランが飛び出すなど予想外の幕開けとなった。チャンスの場面での勝負強さがわずかに上回った法政が逃げ切る形で何とか勝利をもぎ取った。明治は勝利こそ逃したものの、点差ほどの実力差はないように感じた。順調に勝ち点を獲得した法政と勝ち点を奪われた明治、両チームの今後の戦いに注目していきたい。

文：黒田恒大