投打が噛み合った明治が大きなリーグ戦2勝目を挙げる!|明治×早稲田 1回戦
◇明治8-2早稲田
22日・立川公園野球場
まだ暑さが残る夕暮れ時の中、試合が行われた明治対早稲田の1回戦。昨シーズン1点も奪えなかった早稲田に対し、序盤から打線が繋がり、試合の流れを手にした明治が、早稲田を全く寄せ付けず8-2で大きな勝利を手にした。
早稲田の先発は飯島健心(本郷)。試合が動いたのは3回表の明治の攻撃。先頭打者の1番・南風立琉(県立相模原)がレフト前ヒットで出塁すると、続く2番・大澤宏徳(佼成学園)がバントを決め、1アウト2塁とチャンスをつくる。さらに4番・浦野祥太郎が(中京大中京)四球により出塁し、続く5番・涌嶋陽太(佼成学園)がサードへの内野安打を放ち、明治は2アウト満塁の大きなチャンスをつくる。ここで6番・篠田航輝がライトへタイムリーヒットを放ち、明治が2点を先制する。
反撃をしたい早稲田であったが、4回の裏まで明治の先発・溝渕京哉(県立高松)に対しヒットが出ず、なかなかチャンスを作れない状況であった。

次に試合が大きく動いたのは、5回の表明治の攻撃。早稲田のピッチャーが新名海央(県立大分舞鶴)に変わると、先頭打者の4番・浦野がフルカウントからボールを見極め四球で出塁。すると続く5番・涌嶋がストレートの四球となり、0アウト1,2塁のチャンスをつくる。ここで6番・篠田の送りバントが上手く転がり内野安打となり0アウト満塁とチャンスを広げる。7番・林田紹吾(県立熊本北)がレフトへの鋭いタイムリーヒットを放ち、明治がさらに2点を追加する。
ここで早稲田のピッチャーが佐藤翼(県立浦和)に変わる。尚も0アウト1,2塁のチャンスで8番・小松大晟(県立春日部)に打席が回るが、2球目がパスボールとなりランナーがそれぞれ2,3塁に進塁する。小松は四球により出塁し、0アウト満塁のチャンスを再びつくる。そして9番・此本悠雅(県立西条農業)がライトへのタイムリーヒットを放ち、さらに2点を追加し、6-0とした。その後は、佐藤の好投により追加点は入れられなかったものの、この回明治は打者一巡の猛攻撃で4点を追加し、流れをものにした。
5回の裏、反撃をしたい早稲田であったが、溝渕を前にチャンスをつくることはできなかった。溝渕は5回無失点でマウンドを降り、自身のピッチングを振り返り、「成尾さんに繋げば大丈夫だって確信があったので気楽に投げられました。反省点は沢山あるので振り返って次に繋げたいです。」とコメントした。
6回の裏、溝渕からバトンを受け取り、成尾朋紀(熊本学園大学付属)がマウンドに上がる。すると先頭打者の1番・本拓真(獨協埼玉)がショートへの内野安打で出塁すると続く2番・大野弘高(川越東)の放ったセカンドへの打球はダブルプレーとはならず、送球間に大野は1塁へ出塁。ここで3番・吉井千央(鎌倉学園)がレフト前ヒットを放ち、1アウト12塁へチャンスを広げる。さらに4番・高地祥太郎(灘)に打席が回るがフルカウントの末、ボールを見極め、四球で出塁し1アウト満塁のチャンスとなる。チャンスをものにしたい早稲田であったが、5番・福田海人(八千代松隠)が6球粘った末、放った打球はセカンドゴロとなりその間に3塁ランナーが帰還し1点を獲得した。しかし、続く6番・柳下大勢(鎌倉学園)はピッチャーゴロに倒れ、早稲田は大量得点とはならなかった。
追加点が欲しい明治は7回の表、先頭打者の9番・此本がレフトへのツーベースヒットで出塁すると、1番・南風立が猛打賞となる左中間への大きなタイムリースリーベースを放ちスコアを7-1とした。
さらに8回の表、早稲田のピッチャーが本へ変わり、先頭打者の5番・涌嶋が放った3球目はレフト方向へ大きく飛んでいきホームランとなった。自身のバッティングを振り返り涌嶋は「なんとかダメ押しの追加点欲しい場面の先頭打者だったので塁に出ることを考えてましたが、甘いインコースが来たので振り抜いたら飛んで行ったのでよかったです。」とコメントした。

スコアが8-1となり、この回で点が入らなければコールド負けとなる状況で8回の裏、早稲田の攻撃。まず先頭打者の2番・大野がレフトへのツーベースヒットで出塁すると3番・吉井のショートゴロ間に3塁へ進塁。3塁ランナーを返したいこの場面で、4番・高地に打席が回る。高地が放ったセンターへの打球はツーベースヒットとなり見事1点を追加した。しかしその後は、成尾から連続三振を奪われ、チャンスを広げることはできなかった。
そして最終回、9回の裏の早稲田の攻撃。ピッチャーは成尾から仲田塁音(佼成学園)へ変わり、簡単に試合を終わらせたくない早稲田であったが、仲田は下位打線を全く寄せ付けることなく三者凡退で試合を終え、8-2で見事明治が勝利を飾った。
決して主力メンバーが揃った試合ではなかったものの、序盤から流れをものにした明治が勝利を挙げた。主将の佐藤宏成(県立福島東)は試合を振り返り、「今シーズン始まってようやく全てが噛み合った試合だった。課題であった守備も失点に絡むようなエラーもなく、テンポ良く試合を進められたと思う。今回の試合のように全学年の力で勝ち続けて行きたい。」とコメントした。
この試合スターティングメンバー全員が出塁をし、投打がうまく噛み合った明治が大きなリーグ戦2勝目を手にした。また早稲田戦の勝利は実に3年ぶりとなり、明治はこの結果を自信にし、再び8月からのリーグ戦に備えたい。そして、この試合は1年生も多く出場しチームの勝利に貢献をしてくれたことから、後輩の今後の活躍にも期待をしたい。7月を経て、両チームが8月からどのような試合を見せてくれるのか非常に楽しみである。
文:稲村英里奈