壮絶な点の取り合いを立教が制する|立教×明治1回戦

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◇立教9-8明治
12日・立川公園野球場

強風が吹き荒れ、時折砂埃が立ち込める中で行われた立教×明治の1回戦。立教10安打9得点、明治17安打8得点と壮絶な点の取り合いで接戦となったこの試合は、立教が1点差で逃げ切り勝利を収めた。

試合は初回から思わぬ形で動いた。明治の先発・太田壮一郎(川越東)から2番・杠拓登(市川)が四球を選ぶと、3番・齊藤仁生(県立海老名)がライト前ヒットを放ち1アウト1,3塁のチャンスを演出する。続く4番・廣田悠斗(日本大学習志野)がライトへ放った打球はエラーとなり、この間に立教が先制点を挙げた。その後も明治のエラーの間に2点を挙げ、立教が初回に3点を先制することとなった。

立教は1年生の田中歩武(県立厚木)が先発した。1回表に3点の援護を受けて登板した田中だったが、その裏の明治の攻撃で2番・南風立琉(県立相模原)、3番・三浦竜蔵(駒込)、4番・築地星流(明治大学付属中野八王子)から連打を浴び1点を失い、尚も1アウト1,2塁のピンチを迎える。しかし続く打者をダブルプレーに抑え、ピンチを脱する。

田中の粘投に呼応するように、2回表に立教の打線が爆発する。8番・柳瀬開(城西大学付属川越)の四球を皮切りに2番・杠、3番・齊藤、4番・廣田、5番・前田耕生(東北)の4連打でこの回4得点を挙げる。続く6番・北山竜羽(県立水戸桜ノ牧)も四球を選び、2アウト1,2塁となったところで、明治はエース・益山直己(明治大学付属明治)をマウンドに送る。追加点のピンチの場面でマウンドに上がった益山だったが、続く打者を空振り三振に抑え、更なる追加点は許さなかった。

益山は4回表、3番・齊藤、4番・廣田から連打を浴び、ワイルドピッチや内野手のエラーなどで2点を失う。しかし5回以降は立教打線を3安打0得点に抑え、エースとしてのピッチングを果たした。

益山の踏ん張りに応えたい明治打線は、立教の2番手・丸野敦也(日本大学習志野)から5回裏に1点、6回裏に3得点を挙げて立教を猛追する。更に6回途中からマウンドに上がった3番手・門田憲資(都立小山台)からも7回に2点を上げ、1点差というところまで立教を追い上げる。その後明治は8回9回も得点圏にランナーを進め反撃のチャンスを作る。しかしあと1本が出ずに、最終的に試合は9-8で立教の勝利となった。

今回の敗戦について明治の主将・築地は「点差が開いた時も最後まで諦めることなくチーム全体で試合を盛り上げていたのは良かったです。ただ、守備での失点が多かったのは課題だと思います。内外野の守備力の向上や、盗塁やバントなどのチームプレーで1点をつかみ取ることを目標にしていきます。」とコメントした。

振り返ると、この試合で立教の投手は全員1年生だった。1年生投手3人を巧みにリードした捕手・廣田は彼らについて「開幕戦から1年生ピッチャーを使うのはなかなか難しいと思っていましたが、各々がきっちり仕事をしてくれていました。田中はしっかり5回途中まで投げ抜いてくれたし、カーブとストレートのどちらでもカウントをとることが出来たので良かったと思います。丸野は5回の途中から難しいタイミングでの登板になってしまいましたが、明治の強打者を抑えてくれて良かったです。門田は終盤明治に追い上げられながらも、持ち前の度胸と低めのコントロールで抑えてくれてとても助かりました。今回の勝利に関して、この3人の活躍なしでは語れないと思います。」とコメント。その一方で、自身の守備や2安打3得点という成績については「守備は、自分がパスボールをしてしまい失点に繋がってしまった部分もあったので、次は安心して投げて貰えるように練習します。打撃に関しては、序盤のチャンスで1本出たのはよかったですが、8回のチャンスの場面で打てなかったのが悔しいです。」と厳しいコメントを残した。

また、この試合5打数4安打2盗塁という好成績で立教の勝利に大きく貢献した主将・齊藤は、自分の成績に関して「初戦で絶対に勝ちたいという中でチームの勝利に貢献できたことは率直に嬉しいです。ベンチを含めてチーム全体が良い雰囲気で自分を送り出してくれたので、思い切ってプレーすることができました。チームメイトに感謝したいです。」と述べた。更に試合を振り返って「難しいゲーム展開が予想される中で、終盤には点も取れずに明治に追い上げられた中でのこの勝利は、ベンチを含めたチーム全員でつかみ取った勝利だと思います。」とコメントし、来週の慶應戦に向けては「慶應戦も今回同様、それ以上に厳しい展開になると思いますが絶対に勝ちます。」と意気込みをあらわにした。


勝敗に関わらず両チームともにベンチの雰囲気がとても良いことが印象に残った。また、立教の「何が何でも逃げ切る」という姿勢と明治の「何が何でも点数を取る」という姿勢のぶつかり合いの熱気と緊張感がベンチまでひしひしと伝わってきた。投打のバランスがとれた立教と、打線の威力がすさまじい明治。両チームの今季の戦いぶりに注目したい。

文:遠藤蒼依

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