接戦を制したのは慶應!勝ち点獲得へ望みをつないだ|法政×慶應 2回戦

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◇法政2-4慶應
28日・立川市営野球場

 薄い雲のもと行われた2回戦。両投手が好投を見せ、試合時間約2時間の締まった試合となった。少ないチャンスをものにした慶應に軍配が上がった。

 今日勝って勝負を決めたい法政は、初回から満塁のチャンスを作り、その後もランナーを得点圏に進めるなど、打線が存在感を示したが、慶應の先発投手・近藤多玖朗(県立湘南)の粘りの投球を前に、あと1本が出ず、スコアボードに0を並べた。試合が動いたのは5回表、この回の先頭打者である1番・宮本寛人(日本大学第二)がレフトへツーベースヒットを放った。そして迎えた4番・新川圭祐(県立長良)がレフトへタイムリーヒットを放ち、法政が1点を先制。この試合の均衡を破った。

 慶應の反撃はすぐに行われた。5回裏、7番・西目光太郎(県立前橋)が相手のエラーを誘って出塁すると、8番・植山翔太(明治大学付属明治)がセンターへタイムリーヒットを放ち、試合を振り出しに戻した。

 しかし、6回表、法政は6番・木下翔馬(市川)、7番・小澤翼(日本大学藤沢)の連続ヒットと盗塁で、0アウト2,3塁のチャンスを作った。続く8番・中村晃希(聖徳学園)が犠牲フライを打ち、再び勝ち越しに成功した。

 1点を追う慶應は、7回2アウトから打線がつながった。四球とヒットで満塁のチャンスを作り、途中出場の1年生、2番・小美野晴寛(早稲田)がライトへ2点タイムリーヒットを放ち、逆転に成功した。なおも、2アウト2,3塁の場面、力強いバッティングでレギュラーの座を掴んだ1年生、3番・溝江翔太(明治大学付属明治)がタイムリーヒットを放ち、慶應はリードを2点に広げた。出場機会が限られる中、見事な逆転打を放った小美野は、この打席について「2アウトから先輩方がチャンスを作ってくれたので、ランナーを返せるバッティングができてよかったです。」と控えめに振り返った。また、これまでも再三チームを勢い付けるバッティングを見せている溝江は「前の小美野が逆転のタイムリーを打ってくれたので自分も続いて勝ちをさらに手繰り寄せたい思って打席に入りました。タイムリーを打つことができてよかったです。」と振り返った。

 6回途中2失点と試合を作った慶應の先発投手・近藤は自身の投球についてこう振り返った。「今年は自分も含めて投手陣の自滅からの大量失点で敗北ばかりだったので、テンポよくストライク先行を意識して投げました。野手陣に感謝です。」また、監督でもある近藤は、後半戦に向けて、「ようやく1年生含めみんながいい状態に仕上がってきたかなと思います。序盤戦は中々勝てず苦しかったですが、ここからは全勝で1つでも上の順位を目指します。」と意気込んだ。

 なんとか追いつきたい法政だが、6回途中から登板した慶應の好投手・難波蔵之介(県立土佐)が法政打線をノーヒットに抑え、2点のリードを守り抜き、慶應が勝利した。


 慶應の投手陣の好投を前に、惜しくも敗れた法政だが、何度もチャンスを作った打線の勢いは、慶應に勝るとも劣らないものだった。前半戦は故障者も多く苦しんだ慶應は、8月2勝目を挙げ、本来の実力を取り戻してきた。上級生が率いる法政が意地を見せるか、新戦力が台頭し、チーム力が向上してきた慶應が食らいつくのか、第3戦も熱い接戦になるだろう。

文:半田七星

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