今シーズン立教初勝利!猛暑の中で訪れた小雨、流れを変えた立教の逆転劇!|立教×早稲田 1回戦
◇立教7-5早稲田
20日・小野路球場
強烈な日差しが照りつけ、息苦しいほどの暑さに包まれた試合序盤。早稲田が主導権を握り、立教は苦しい展開が続いた。しかし中盤、突然の小雨がグラウンドを濡らし、暑さを和らげたその瞬間から立教打線が目を覚ます。猛暑の空気を切り裂くような集中打で一気に追いつき、終盤には勝ち越し。7-5と劇的な逆転勝利を収めた。
試合は初回から大きく動いた。1番・大野弘高(川越東)が初球を力強く振り抜き、レフトスタンドへ飛び込む先頭打者本塁打でいきなり早稲田が先制。さらに押し出し四球や田島新大(県立横浜緑ヶ丘)の2点適時打も飛び出し、この回だけで4得点。早稲田が序盤から立教を突き放した。

劣勢の立教だったが、5回表に打線がつながる。1番・小畑綱(県立所沢)が走者満塁の好機で左中間を破る走者一掃の三塁打を放ち、一気に3点を返す。続く2番・杠拓登(市川)も中前適時打を放ち、ついに試合は振り出しに。序盤の4点ビハインドをものともせず、立教の粘りが光った。

同点のまま迎えた7回表、立教の一打が試合の均衡を破った。3番・小原佑斗(都立小山台)が満塁から値千金の勝ち越しの2点を運ぶ一打を放ち、ついに逆転に成功。ベンチは総立ちとなり、立教打線の勢いがスタンドまで伝わる場面となった。

7回裏、早稲田は4番・吉井千央(鎌倉学園)の適時打で1点を返し1点差に迫る。しかし立教投手陣がここから踏ん張り、最少失点で切り抜けた。
8回表、2死1,2塁の場面で2番・杠の打球を遊撃手・山口大登(順天)が痛恨のファンブル。この間に三塁走者が生還し、立教が貴重な追加点を奪った。試合は7-5となり、そのまま立教が逃げ切り勝利となった。
5回表で試合の流れを大きく変えた立教・小畑は試合を振り返り、「今シーズンに入ってからなかなかチームが勝てず、自分自身も思うような成績を残せていませんでした。だからこそ、絶対に打ちたい場面で結果を残せて本当に良かったです。」と語る。
序盤は早稲田の一方的な展開かに見えたが、中盤以降の立教打線が意地を見せ、見事に逆転勝利を収めた。走者一掃の三塁打を放った小畑や、勝ち越し打と追加点に絡んだ杠の活躍が光った一戦だった。
早稲田は序盤の大量得点を守り切れず悔しい敗戦となったが、1番・大野の本塁打や、4番・吉井の意地の適時打など見どころも多く、次戦以降の巻き返しに期待がかかる。
文:田中愛海