早稲田、東大に大勝 終盤の猛攻で圧倒|早稲田vs東京 2回戦
◇東大1-12早稲田
2日・上柚木球場
4連敗中の早稲田が、序盤から着実に得点を重ね、終盤には一挙6点を奪う猛攻で東大を突き放し、連敗を止めた。最終スコアは 12-1。投打が噛み合い、堂々の勝利となった。
試合は初回から動いた。1回表、早稲田は1番・高知将太郎(灘)が右中間を破る二塁打で口火を切ると、続く2番・吉井千央(鎌倉学園)が左前へ運び、先制点を奪った。さらに倉賀野稜希(鎌倉学園)の内野安打や小坂涼太(県立湘南)の死球で好機を広げたが、森悠生(市川)が併殺打に倒れ、追加点はならなかった。

その裏、東大は山口彰文(県立金沢泉丘)の安打をきっかけに満塁のチャンスをつくったものの、後続が三振などに倒れ無得点。初回から互いに走者を背負う展開となった。2回表、早稲田は山口大登(順天)の打球を相手遊撃手が落球し出塁。無死一、二塁とすると、柳下大勢(鎌倉学園)が送りバントを決め、一死二、三塁の好機を演出した。石井開(県立柏陽)が四球を選び満塁とすると、ここで頼れる2番・吉井がこの日2本目の適時打でリードを広げ、試合を優位に進めた。
東大は3回、和田勇誠(県立浦和)が左中間へ二塁打を放つと、4番・加賀谷昊(県立千葉)が中前へはじき返し1点を返した。3-1となり追い上げムードが漂ったが、その後は瀬古陽介(明和)の前に打線が沈黙。早稲田も吉井の二塁打で再び得点圏に走者を進めたが決めきれず、試合は中盤に突入した。
均衡を破ったのは6回の早稲田。石井の四球と盗塁でチャンスをつくり、高地の右前打で一、三塁とすると、吉井の内野ゴロの間にまず1点。倉賀野の適時打、小坂の左中間二塁打でも加点し、一挙3得点で6-1と突き放した。
7回は両軍とも得点を奪えなかったが、8回表に早稲田打線が爆発する。先頭の高地が四球で出塁し、盗塁で得点圏に進むと、倉賀野が中前適時打を放ち7-1。さらに小坂が四球で歩き、山口の左前打で満塁と畳み掛けると、代打・新見紀翔(修道)がセンター前に運び2点を追加。柳下の左前適時打、海老塚幸之助(市川)の死球で再び満塁とすると、最後は高地がライト前へ2点打を放ち、この回だけで6点。終盤にして勝負を決定づけた。東大は最終回、クリーンアップで反撃を試みたが、いずれも外野フライに倒れゲームセット。早稲田が終盤の集中打で東大を突き放し、リーグ優勝チームとしての強さを見せつけた。
7回から登板した安井恒太(都立日比谷)がリーグ戦初登板ながらも2回を三者凡退に抑え、堂々のデビューを飾った。安井は「リーグ戦初登板で緊張もありましたが、大量失点だけはしないように心がけました。打線に援護もしていただき、なんとか良いピッチングができて良かったです。」と次に向けて語ってくれた。

また攻守の要である高地は「チームが連敗中ということもあり、何とか流れを変えられるように意識していました。人生初の1番打者としての起用で緊張もありましたが、積極的に打ちにいくことができ、結果としてチームに貢献できたのは良かったです。
また、チーム最年長として意地を見せられたのも嬉しかったです。」と語ってくれた。

もう負けるわけにはいかない早稲田大学だったが、勝ち点を東京大学から取ったのでここから勢いに乗ってリーグ戦2連覇の維持を見せて逆転優勝を期待したい。東京大学もここから優勝争いに食い込むために勝ち点を積み重ねていけるのか後半戦も注目していきたい。
文:柳下大勢