華の早慶戦!直前対談企画第四弾 ~監督が見据える”早慶戦”とは~|別府要(早稲田)×西亮輔(慶應)

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ーー警戒している選手はいますか?

西: 今までの早慶戦や、今年の開幕戦でもなかなか攻略できなかった投手・南(早稲田3年・南智樹)と嫌な場面でよく打たれている印象が強い打者・相原(早稲田3年・相原豪)。あとは高校の後輩の野宮(早稲田1年・野宮健太)はいやらしい選手だから、敵に回すと怖いなあ(笑)

別府: こちらは宮田くん(慶應2年・宮田駿二)にやられっぱなしは嫌なので、攻略したい。慶應投手陣は全体的にレベルが高いけど、その中でも信頼されてる理由が分かる。打線はいいバッターをあげるとキリがない。山口(慶應3年・山口優斗)、税所(慶應2年・税所佑斗)、松下(慶應3年・松下周平)はもちろんだし、井村(慶應3年・井村岳)は成績がどうあれ怖い。三振しない印象だし、代表チームで一緒にやっていた選手からも一目置かれていたから。南と豪にはかなり助けられてる。結局、チームとしての戦術の前に個対個の勝負が野球にはあるから、そこの部分である程度勝てる計算が立つのは助かる。

西: 林(慶應3年・林克樹)も昨日の対談で話してたけど、やっぱり宮田はすごい。俺も絶大な信頼を置いているし、明日も攻略に燃える早稲田打線を平然と抑えてくれると思っている。

別府: 野宮は本当にいい打者だし、何でも屋さん。だからこそ彼にかかる負担が大きくなってしまっていて、申し訳ないくらい。明日は上級生が頑張らないと。確かに、宮田くんは気持ちを前面に出して抑えにくるというよりは、淡々としているよね。

西: 大事な場面では個対個の勝負になってしまうから、監督として選手を信頼して祈ることしかできないのはなんか歯痒く感じてしまうことがある(笑)それはうちにも言えること。今までほとんどの試合は宮田に頼りきりだから、スタメンで3年が多く出場する野手陣で助けてあげれるようにしたい。

別府: 分かるなあ。チャンスの時に打者に「任せたよ」ってよく言うんだけど、もしかしたら「任されちゃったよ(汗)」って思う選手もいるかもって今思った(笑)それを意気に感じて頑張ってくれる選手もいるだろうけど。そういうところでしかサポートできないもんね。

                       

早稲田大学監督・別府要(#41)

                      

ーー 采配ではどんなことを意識していますか?

別府: 意識しているのは、首尾一貫した姿勢の部分と、局面に応じて柔軟に対応する部分のバランスかな。

西: 一番意識しているのは実際にプレーする選手が100%の力を発揮できるようにすること。そのために必要な要素の1つが、渋々従わせるような采配をしないことだと思う。「監督は絶対」というのが今までの野球人生では常識だったけど、俺は自分の考えを押し付けたくないから、プレーする選手と対話してお互いに納得できる采配をするようにしてる。他に言うならば、リスクを取って勝負を仕掛ける時とそうじゃない時のメリハリを試合の流れ読みつつ付けることかな。

別府: やっぱり基本的な方針はなるべく変えずに打ち出しておかないと、混乱するというか、何をしていいか分からなくなっちゃうし。かと言って、頑固にしててうまくいかないままじゃ試合終わっちゃうし。意識している部分でもあり、一番難しい部分でもある。

西: 本当にこのバランスが難しい(笑)まあ監督としての醍醐味でもあるんだけども。

別府: 確かに、選手に納得してもらうというのは凄く意識してる。他大の人にはあんまり分からないかもだけど、僕って早稲田の中でもトップレベルに野球がヘタなんですよ。本当、人柄と縁と運というか、それだけだから(笑)そんな僕が、自分にはできない高いレベルのプレーを要求するわけだから、ちゃんと納得してもらったうえで、実行してもらいたいって気持ちは凄いある。皆も、結構自分の主張というか、こうしたい、みたいなのを言ってくれるし。

西: 自分にはできない高いレベルの要求を難なく成功させるからこいつらすごいなっていつも思ってる(笑)わかる!意見を言ってくれると自分の意見に自信を持てたり、より良いものに変えることができたりするから本当にありがたい。

別府: なんかこんな話してたらあんまり俺が信用されてないような気もしてきたけど…(笑)だけど多分そういうことではなくて、お互い学生同士だからこその関係性かもしれない。監督と選手の前に、友達同士だし。ほんとにそうだよね。早稲田の皆さんいつもありがとうございます。

西: その不安すごいわかるわ。けど、あくまで同列の関係として成り立っているからそれはそれでいいのかな、って考えてる。

                  

ーーどのような試合展開を理想としていますか?

西: 相手に試合の流れや反撃の糸口を一切渡さずに気づいたら勝った、というような試合。そのために守備は無駄なランナーを出すことなくテンポ良く打者を打ち取り、攻撃は先制・中押し・ダメ押しの得点をしっかり取ることが必要かな。でも、これがなかなかできないから理想になっちゃう(笑)

別府: 思うように点が取れなくてもなるべく我慢して、終盤にビッグイニングを作る。開幕戦の時にはわからなかったこういう勝ちパターンが確立できているから、序盤中盤を接戦で進められたら、もうそれは四隅取ったオセロかなと(笑)緊張感のある試合になるのは覚悟して、そういう展開を楽しめたら強いのかなと思う。

西: 正直めちゃめちゃ怖い(笑)終盤に爆発させることのないまま試合終わって欲しい(笑)まあある意味心理戦にもなるね(笑)

別府: これ以上やるとお互い読み合っちゃって本音で話せなそうだから早々と切り上げた方が良いかな(笑)ジャンケンの前に「俺絶対パー出すから!」みたいなやつ(笑)

西: 俺そういうのほんとに苦手だから辞めて欲しい(笑)

                   

「相手監督へ聞いてみたいこと」  

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