早稲田大学、序盤から着実な攻撃で東京大学を制す!|ZETT杯2024 早稲田vs東京
◇早稲田8-3東京
3日・いせはらサンシャイン・スタジアム
ZETT杯がついに幕を開け、早稲田大学と東京大学によってその初戦を飾る試合が行われた。試合は早稲田大学が序盤からリードを広げ、最終的に8-3で勝利を収めたが、東京大学も粘り強い攻撃を見せ、見応えのある戦いを繰り広げた。
試合は1回表から動いた。早稲田大学は3番・小島公人(県立不動岡)がヒットを放つと、すかさず盗塁を決める。さらに4番打者の柳下大勢(鎌倉学園)が死球で出塁し、相手にプレッシャーを与える。続く打者が繋ぎ、早速満塁のチャンスを迎えると、亀井裕太(芝)がレフト前にタイムリーヒットを放ち、2点を先制。攻撃の手を緩めない早稲田大学は、四球と盗塁で追加点のチャンスを広げ、東京大学の先発・黒田伊織(東大寺)に27球を投げさせた。
1回裏、東京大学は早稲田大学の先発・秋田幸輝(ISM)に対して果敢に挑んだ。先頭打者の中村快がセンター前ヒットで出塁し、続く沖蒼一郎(市立西宮)がセンター前にタイムリーヒットを放ち、1点を返す。東京大学は初回から鋭い打撃を見せ、相手にプレッシャーを与えた。この攻撃で勢いに乗りたい東京大学だったが、秋田はその後をしっかり抑え、リードを保った。
2回表には、早稲田大学が再び攻撃の手を緩めず、柳下がライト前タイムリーヒットで追加点を挙げる。さらに、相手投手の暴投で4点目が入った。
東京大学も3回裏、小谷逢斗(県立浦和)のレフトへのヒットでチャンスを掴むと、沖のセンターへのタイムリーヒットと早稲田大学のエラーで2点を返し、4-3と1点差に詰め寄った。東京大学の選手たちはこの回、積極的な走塁と相手守備の隙を突くプレーでチームの士気を高めた。
その後、早稲田大学は守備で流れを取り戻し、秋田が要所を締める冷静なピッチングを披露。秋田は5回を投げて3失点に抑える粘投で、徐々に試合の流れを早稲田大学に引き寄せていった。中盤からは佐藤翼(市立浦和)、瀬古陽介(県立明和)とつなぎ、無失点リレーを完成させた。
秋田はこの試合を、「個人的に初めてのZETT杯出場だったうえ、初戦ということもあって前日から非常に緊張していました。また、今年のリーグ戦で東大に多く打たれてしまった経験もあり、不安な気持ちが強かったです。しかし、楽しむことを忘れずにプレーすることを意識して、気持ちを切り替えてマウンドに立ちました。結果としては思うようなピッチングができませんでしたが、楽しむ心を持って挑むことができたと思います!」と振り返った。
攻撃では8回表が勝負の決め手となった。0アウト1,3塁から柳下が再び適時打を放ち、6-3とリードを広げると、大野弘高(川越東)がセンターフェンス直撃のタイムリーツーベースヒットを放ち、さらに2点を追加。これで早稲田大学は試合を一気に決定づけた形となった。東京大学は吉村から山家璃空人(県立旭丘)に継投して食い止めを図るも、早稲田大学の攻撃を止めきれず、流れを渡してしまった。
柳下はこの試合について、「負けたら3年生が来週で引退という状況の中で、試合に出させてもらったので、1年生らしく思い切って積極的に打っていこうという気持ちで打席に立ちました。とにかく3年生と野球をやるためにという思いが強かったです。みんながつないでくれたチャンスを無駄にしたくなかったので、思い切りバットを振ろうと決めていました。結果的に勝利につながるタイムリーが打てて、よかったです。3年生とZETT杯も優勝できるように頑張ります!」と語った。
早稲田大学は序盤から打線がつながり、効率よく得点を重ねて主導権を握った。東京大学も積極的な走塁と粘り強い攻撃で反撃し、見応えのある展開を見せた。この試合は、ZETT杯初戦ならではの緊張感と両チームの意気込みが強く感じられるものであった。
文:井内朝海