スタメン全員安打でコールド勝ちの立教が連敗脱出!|立教×明治 3回戦

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◇立教13-2明治
20日・立川公園野球場

秋の訪れを感じさせるような冷え込みの中で行われた立教×明治の第3回戦。第1回戦は1点差で立教が、第2回戦は1点差で明治が勝利しており、今回も接戦が予想された。しかし、連敗が続いていた立教の打線が爆発し、試合は6回コールドで立教が勝利を収めた。これにより、立教は法政に続き明治にも勝ち点を獲得することとなった。

明治の先発は前回の試合で立教打線を封じたエース・益山直己(明治大学付属明治)。その益山に対して、立教の1番・杠拓登(市川)が初球をライト方向へ運びいきなり3ベースヒットを放つ。すると2番・綿貫心大(県立沼田)がセンター方向へのタイムリーヒットを放ち、初回から立教が先制することになった。

対する立教の先発は今季初先発の1年生・丸野敦也(日本大学習志野)。「チームに連敗が続いていたため、この試合でなんとか勝利し、悪い流れを断ち切りたいという思いでマウンドに上がりました。」と振り返るその立ち上がり、明治の1番・滝本陽大(川越東)を3球三振に打ち取るなどこの回を3者凡退に抑え、初先発とは思えない堂々としたピッチングを見せた。

試合が大きく動いたのは2回表だった。この回先頭の6番・前田耕生(東北)がレフトへのヒットで出塁すると、9番・川田崇弘(土佐塾)がショートのエラーで続き、2アウト1,3塁のチャンスを作る。すると1打席目で3ベースヒットを放った1番・杠がレフトへのタイムリーヒットを放ち2点目を挙げる。更に続く2番・綿貫、3番・岡海善(県立浜田)が連続四球を選び、押し出しで1点を追加、2アウト満塁とチャンスは続く。このチャンスで打順は4番・齊藤仁生(県立海老名)に回ると、その初球を捉えタイムリー2ベースヒットを放ち2点を追加した。続く5番・小畑綱(県立所沢)は内野安打で出塁し、その間に3塁ランナーが帰塁し1点を追加する。そして、6番・前田の打席で1塁ランナーの小畑が2塁への盗塁を仕掛ける。すると、明治バッテリーが2塁への送球をしている隙をついた3塁ランナーの齊藤が本塁を陥れもう1点を追加した。この回立教は一挙6得点を挙げ、2回表終了時点で7-0と明治を大きくリードする形となった。

立教の猛攻は3回も続いた。この回先頭の8番・坂元開哉(佼成学園)、9番・川田がそれぞれ内野安打で出塁、1番・杠は四球を選び、0アウト満塁と再び得点のチャンスを作る。ここで、前の打席で押し出しの四球を選んだ4番・岡がレフトへのタイムリーヒットを放ち2点を追加する。続く4番・齊藤は内野ゴロで出塁、5番・小畑、6番・前田が四球を選び、再び押し出しで1点を追加、立教は10点目を挙げた。ここで明治は投手を太田壮一郎(川越東)にスイッチする。2アウト満塁と未だ立教のチャンスの場面、7番・石附士道(佼成学園)が1塁線に打ったゴロはファーストのエラーを誘い、その間に3塁ランナーが本塁に生還して11点目を挙げる。2塁ランナーも本塁を狙うがここはタッチアウトで3アウトとなった。

2回から大量の援護をもらっていた立教の先発・丸野は2,3回とヒットを打たれつつも、強打者が名を連ねる明治打線を無得点に抑える好投を見せた。

コールドを何とか避けたい明治は4回表、2番手の太田が立教打線を3者凡退に抑えて流れ引き寄せる。その裏の明治の攻撃、2アウトから6番・南風立琉(県立相模原)がセカンドへの内野安打で出塁し、7番・吉野夢二(鎌倉学園)、8番・篠田航輝(県立横浜緑ヶ丘)がそれぞれ四球を選び、2アウト満塁のチャンスを演出する。すると9番・鯖江凱(県立平塚江南)がセンターへのタイムリーヒットを放ち、明治が2点を返す。このまま打線を繋げて点を重ねたい明治は、1番に代打・佐藤宏成(県立福島東)を送る。しかし、丸野の前にショートゴロに倒れ、更なる反撃とはならなかった。

コールドで逃げ切りたい立教は、6回表の攻撃、4,5回と三者凡退に抑え込まれていた明治の2番手・太田を捉える。この回先頭の5番・小畑が四球で出塁すると、6番・前田がセンターへのタイムリー2ベースヒットを放ち12点目を挙げる。これで再び明治と10点差をつけるが、この後にもダブルプレーの間に1点を挙げ、13-2で試合は6回裏に代わる。

この回に2点以上得点しなければコールドが成立してしまう明治は、立教の3番手・門田憲資(都立小山台)に対して1アウトから8番・篠田がセンターヒットで出塁するが、9番・鯖江が打ち返した打球がショートライナーとなり2アウト、飛び出していた1塁ランナーが戻れず1塁タッチアウトで3アウト、立教の6回コールド勝利でゲームセットとなった。

た振り返ると、立教は今季初先発の丸野と、今季初スタメンマスクの捕手・齊藤という初めてのバッテリーでの勝利であった。自身のピッチングを振り返って丸野は、「打線の大きな援護があったのでリラックスして投げることができました。相手に流れを渡さないピッチングをできたところが良かったと思います。」と振り返った上で、「次に起用してもらえる機会があれば、期待に応えられるように頑張ります。」とこれから先の優勝争いへの意気込みをあらわにした。丸野のピッチングについて、バッテリーを組んだ齊藤は「強力明治打線相手にコーナーに投げ分け立教の流れに持ってきてくれたのは助かりました。正捕手の廣田(廣田悠斗)が怪我で離脱してしまい自分も投手が出来なくなってしまった中で、丸野がここまで投げてくれたのは大きな収穫になったと思います。」とコメントした。

そしてこの試合の勝利で立教は、法政に続き明治からも勝ち点を獲得することとなった。ここまでの戦いを振り返り主将の齊藤は、「ここまで難しくない試合はなかったですが、何とか2チームから勝ち点を取れました。ここからの試合、全部勝って優勝します。」とコメントし、ここからの戦いへの意気込みを語った。


この勝利で立教は8月以来の勝利となった。点差が開いたあとも油断することなく点を重ねようとする貪欲な姿が印象に残った。明治は破れこそすれ、3者凡退に倒れたのは1回のみで、粘り強いバッティングという持ち味が立教にとってはかなりの脅威だったように思う。残り試合も少なくなってきたが、ZETT杯まで見据え、今後の両チームの戦いぶりが楽しみな試合となった。

文:遠藤蒼依

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