勝利導く主将の一振り&法政・黒井旅立ち前のラストメッセージ。|慶應×法政 1回戦
◇14日・上柚木公園球場
またも雨で対明治戦(8/30)、対立教戦が(9/9)が中止となり、1ヶ月ぶりとなった公式戦。リーグ戦が始まって早6ヶ月。ようやく法政と顔を合わせることになった。
先攻の慶應は初回、法政の投手・奥西賢太郎(高輪)に三者凡退に抑え込まれるが、2回に主将の一振りで勝利を引き寄せた。
両チーム無失点で迎えた2回表、4番の井村岳(慶應)が四球で塁に出ると、2死2塁で打席に立ったのは主将・飯塚大生(桐朋)。奥西が放った初球のど真ん中ストレートをセンター方向に飛ばすと、そのままダイヤモンドを一気に駆け抜けホームベースへ。東大の岩切に次ぐ、今季のリーグ戦で六大学通じて第二号目のランニングホームランとなった。
試合後、飯塚は「普段あんなに走らないので疲れました(笑)。先制点を取って、初登板・初先発の小峯を楽にしてあげたい一心だったので、良い所で一本打てて良かったです。」と笑顔で語った。
その後、6回には3番・山口優斗(松本深志)が左前打で出塁すると、相手のミスで一気に三塁まで進み、井村の犠飛で生還。
ここでさらに1点を追加し、3-1で勝利した。
投げては、公式戦初登板・初先発のルーキー小峯丈明(慶應義塾)と肺気胸の手術で休養中の加藤奨大に代わって公式戦初出場の捕手・田中翔太(慶應義塾)の塾高バッテリーが大活躍。試合前の円陣で声出し担当だった小峯は、「一生懸命投げるんで、点取ってください」と1年生らしいかわいいコメント。しかし、ひとたびマウンドに上がると初登板とは思えない堂々としたピッチングを見せ、6回1失点に法政打線を抑えた。その後は、3年・林克樹(桐光学園)―2年・宮田駿二(都立青山)の継投で、法政に追加点を与えることなく試合を締めた。
対する法政は、試合の翌日から1年間アメリカ留学へ行く黒井誠也(加納)の最後の試合ということもあり、絶対に勝ちたい試合だった。今試合、安打数では慶應4、法政7と慶應を上回っていたものの、得点に結びついたのは6回裏の3番・松本幸大(調布南)の黒井を還す左適時打のみだった。4番から始まった最終回の9回には、法政ベンチから「もとやに回せ、もとやに回せ」と言う声が聞こえてくる中、試合は終了した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー最後に、法政の理事でリーグ全体のムードメーカーでもあった黒井誠也からリーグのみんなへメッセージ。
「本当に楽しい2年半でした!1年生の時から主力として試合に出してもらい、他大学ともたくさん交流できてとても充実した時間でした。
1年生の時は試合では自由に野球をやらせてもらい、2年生の時には大好きな先輩のためにという気持ちで一生懸命野球ができ、また盗塁王、ベストナインというタイトルもいただけて充実したシーズンでした。3年生では、肩の故障で満足に野球はできなかったけど、チームのことをより一層考え、自分にできることをやりきろうと楽しく野球ができました。
このリーグがあったおかげで大学生活は本当に楽しかったです。ありがとうございました!理事会のみなさんありがとうございました!」
文:鶴井彩央 取材:金子紗衣