リコタイJAPAN全試合に登板&歓喜の胴上げ投手…「小さな大エース」 慶應・林克樹(桐光学園) 独占手記
■自分を変えたキャプテン東宙成の一声
炎上した1試合目の後ホテルに帰るバスの中で落ち込んでいた自分に、5日間ずっとバスの隣に座っていたキャプテンの東が「そういう日もあるからあんま気にすんな、また明日も頼むよ」と声をかけてくれた。翌日の韓国・京畿との試合では先発の(田中)大亮が8点差を追いつかれてしまったけど、自分が4回途中からリリーフして1失点で最後まで投げられた。 東の一言があったからこそ、2試合目からも気持ちを切り替えてしっかり投げ切ることができたと思う。チームのみんなに気を配りながら主将として引っ張ってくれた東にはとても感謝している。
準決勝も順当に勝ち、いよいよ迎えた決勝戦。3点リードの最終回、ついにその時は来た。実は午前中の準決勝の後、昼食の時にお箸を持つことができなかった。本当に腕が取れると思った。それでも、決勝戦では試合前から東が最後は林で締めると言ってくれていた。
結果は、三者凡退。優勝の瞬間にマウンドにいるのが今までの野球人生で初めてだったのでどうしたらいいかわからなかったが、とにかくみんなが自分のところに走ってきて嬉しかった。自分より大きな人たちの中で潰れた。みんなの方が大きいのは当たり前なんだけど(笑)。あの時の優勝の喜びや充実感は、浪人して慶應に合格した時の10倍くらいだった。
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