リコタイJAPAN全試合に登板&歓喜の胴上げ投手…「小さな大エース」 慶應・林克樹(桐光学園) 独占手記

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リコタイJAPANが2年ぶり3度目の栄冠を手にして幕を閉じた第10回済州国際生活体育野球大会。4試合で39点を奪った強力打線で勝ち取った優勝なのは間違いないが、わずか3人でマウンドを守り続けた投手陣の活躍も忘れてはならない。中でも、全4試合にリリーフ登板した慶應・林克樹はまさに獅子奮迅の働きだった。過密日程で肩の限界を超えた状態でも国を背負って左腕を振り続けた「小さな大エース」に、悲願達成までの思いを寄せてもらった。

 

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「小さくてもやれる」。そう思えた人生初の国際大会だった。自分は163cmとリーグの投手陣の中でも身長が一番低く、球速もみんなほど速くない。これは小学生の頃から変わらなかった。だからこそ違う武器を身につけなきゃいけないと思い、ストレートの回転や変化球を磨いてきた。初戦の台湾戦こそ(5点リードの最終回に)1点差に迫られる投球をしてしまったが、大会を通して自分の持ち味を出し、体の大きな外国人選手に対して攻めの投球ができたのではないかと思う。

アジア各国の選手たちの、勝利に懸ける気持ちは本当にすごかった。韓国チームは審判への暴言で警告を受けていたし、台湾戦では暴投で突っ込んできた三塁ランナーにホームのクロスプレーで足を刈られてキレそうになった。それでも自分のピッチングが認められて、試合後は相手選手が握手や写真を求めてきてくれて嬉しかった。韓国ベンチからは自分が楽天の松井裕樹選手に似ているという声も上がっていたらしく、母校の尊敬する先輩に少しでも近づけていたのだとしたら本当に嬉しい。

 

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