主力からどん底へ…チームメイトが繋いでくれた最終登板 法政・崎村旭(長崎南山)|2021引退特集
ーーリコタイラストシーズンを振り返ってどんなシーズンでしたか?
1,2年生の時から投げさせてもらっててシーズン始まる前までは自信はありました。過去2シーズンから見ても、確実に立教の小林陽人(桜美林)や明治の川上裕陽(甲南)とかにピッチャーとして負けるわけがないって思ってました。でも開幕2試合目の立教戦からフォームが崩れて、それ以降球速も制球力も落ちてきて、なかなか元に戻らずに苦しかったです。結局思い通りのピッチングは開幕戦しかできずに、それ以降は落ちていく一方でした。チームの力にはなれず、リリーフのポジションも失い、初めて出場しない試合があったりと悔しいシーズンでした。
ーーそのような状態で今季最終戦となったZETT杯決勝では最終回、マウンドに上がりました。そのときはどのような気持ちでしたか?
ZETT杯の決勝に来るまでに自分はエースでもなくなっていて、リリーフのポジションも失った状態でした。前の早稲田戦も自分のせいで負けているので、自分から決勝で投げたいと言う権利はないと思ってました。それでもキャプテン(加藤比呂)や同期、後輩は「最後は旭でしょ」って言ってくれてて、試合前も「旭に最後繋ごう」って声が聞こえてきて嬉しかったです。それでも直前は怖かったですし、野球人生で初めて自信がなく、弱気なままマウンドに上がりました。チームが自分まで繋げてくれたので精一杯投げるだけって割り切ってました。
ーー3年間で1番楽しかった対戦はありますか?
明治の金山拓矢(獨協埼玉)との対戦ですね。リコタイJAPANでバッテリーを組んだこともあり、彼もいいバッターなので毎回気合いが入りました。何回も対戦して、金山からは三振しか狙ってませんでした。やってて楽しかったですね。
ーーでは3年間を振り返って心残りなことはありますか?
2年の時からずっとインタビューがあるたびに立教の水町和葵(福井商業)と対戦したいと口にしてて、対戦しろと言ってたんですけど、一度も対戦せずに終わってしまったことです。自分が得意なバッターだと感じていたので対戦すれば三振絶対取れるって思っていました。逃げるなって自分が言ってましたが、最後は自分がマウンドに立てなくなって申し訳ないと思ってます。2人とも万全な状態でやりたかったですね。
ーー後輩たちへのエールをお願いします。
リコタイ生活を楽しんでもらえれば嬉しいです。正直優勝して欲しいとかはそこまで思ってないです。自分は今年は1,2年生と一緒になって楽しんでただけですし、先輩として引っ張ったりは一切してないので。3年生が後輩を巻き込んで一緒に楽しむことで結果いいチームになって、結果勝ってくれれば良いです。来年度キャプテンの近藤幸雄(市立橘)をはじめ、自分とよく一緒にいた奴が一丸となって後輩たちと楽しい時間を増やして欲しいですね。旅行行ったり、ご飯に行ったり、一緒にぐだぐだ暇潰ししたり、今思えば後輩と過ごした時間は充実してました。法政の良いところは1,2,3年生の学年の隔たりが一切ないところなので、その雰囲気も持ち続けて欲しいです。
ーー最後に3年間のリコタイ生活を振り返っての感想をお願いします。
3年間ありがとうございました。法政以外でも六大学の中でいろんな付き合いがあって、大学生活がリコタイのおかげで充実しました。リコタイJAPANで台湾にも行けていい思い出ばかりです。時には試合前の記事で相手に対して相手にならないとか練習しても打てないとか言って煽ったりしてすみませんでした。煽ったりするのも盛り上げたくてやってみたり、本当に自由に野球ができました。自分にとって居心地が本当に良かったと思っています。みんなのおかげです。ありがとうございました。
文・取材:加賀谷千絵