「3年生とあともう一週間」 法政・崎村旭(長崎南山) 試合後談話 | ZETT杯2019 明治×法政
◇明治2-3法政
8日・八王子上柚木公園野球場
崎村は、法政が明治相手に温存していたとっておきの秘密兵器だった。リーグ戦では中継ぎとしてコンスタントに登板機会を得ていたが、明治戦は1回戦に1イニングを投げただけ。今季1イニングに2個以上という高い奪三振率を残したこのルーキー右腕について、 明治打線はほぼ知らない状態だったと言って良い。
特筆すべきはその強心臓ぶり。投球回数こそ多くないものの接戦における勝負所での登場がほとんどで、幾度の苦しい場面で先輩たちからの厚い信頼に応えてきた。10月に行われたリコタイJAPAN台湾遠征でも順当に代表メンバー入りし、国際試合の舞台での経験も積んだ。肩の違和感を抱えながらのピッチングだったが、「マウンドに立てば与えられたイニングはしっかり投げきる気で台湾遠征にもZETT杯にも臨んでいます」と、自分に課せられた役割を本人も十二分に理解している。プレッシャーがかかる場面ほど、この男は輝くのだ。
この日の出番は1点ビハインドの6回から。7回の3者連続を含む奪三振5被安打1と強力明治打線を完璧に封じ込み、味方の逆転劇を呼び込んだ。感情を前面に押し出すピッチングは法政のチームスタイルとぴったり合致する。「3年生ともう一週間できることになって安心しました」と胸を撫で下ろしたリリーフエースが、準決勝の舞台でも相手打線の前に立ちはだかる。
写真・文:小池颯