3年全員安打で早稲田が初戦を突破!!|ZETT杯2022 早稲田×立教

Pocket

◇早稲田17-9立教
11日・上柚木公園野球場

打撃力のある両チームの試合は毎回ヒットが生まれ、どちらも2桁安打を記録し、激しい乱打戦の様相を呈した。激闘の末、勝利の女神が微笑んだのは早稲田だった。

試合が動いたのは2回表、早稲田の攻撃だ。この回の先頭打者・野々村俊佑(滝)がツーベースヒットを放つと続く6番・眞知田達也(世田谷学園)がセンター前にタイムリーヒットを打ち、2人で先取点を奪う。その後2アウト1,2塁と再びチャンスの場面を作ると、相手投手の高めに浮いた球を狙い、スリーベースヒットを2本含む7人連続ヒットで7点を追加し、この回早稲田はいきなり8得点のビッグイニングを作った。

先制点を奪った3年・眞知田

このままワンサイドゲームになるかに思われたが、立教の攻撃陣がそれを許さない。2回裏、連続ヒットで作った1アウト1,2塁のチャンスで8番・石井滉太郎(世田谷学園)がヒットで走者を一掃し、外野がもたつく間に石井自身もホームベースを踏んで3点をとる。さらにその後守備のミスにより1点を追加し、立教はこの回4点を奪い返した。

早稲田は打撃からリズムを再構築した。3回表、早稲田は2アウト1,3塁のチャンス、主将・渡邊陸(都立戸山)のスリーベースヒットで2点を得点。さらに続く3年・野々村がこの日3本目のヒットを放ち、この回3点を記録した。この回で試合の主導権を握った早稲田はその後も7回表までに3点をダメ押す。

対する立教は、5回裏に4番・神谷尚希(県立磐田南)のヒットで1点を取るも、早稲田に大量得点を許して勢いを止めることができないでいた。
だが7回裏、なんとしても2点を取らねばコールド負けとなってしまうこの回に死球とヒットで1アウト1,2塁とする。迎えた打者はこの日好調の4番・神谷。甘く入った直球をレフト前に弾き返し1点。続く5番・上門伸徳(開邦)が左中間に大きなあたりを飛ばしてさらに2点を追加し、コールドゲームを回避することに成功。この勢いに押された早稲田は1アウト1,3塁のピンチでゲッツー崩れの間に3塁ランナーが生還し、この回4点を奪取されることになる。立教は8回表の強力な早稲田打線を0点に抑えて、次の攻撃に勢いをつけた。

貴重な追加点で塁上で喜びを見せる3年・上門

この流れを断ち切りたい早稲田は8回裏、この回から1年・新井大悟(川越東)を投入し、立教打線を速球で抑え込む作戦に出る。立教はこの早稲田の継投策にうまく対応しきれず、三者凡退と打線が沈黙してしまう。その直後の9回裏にも追加点を許し突き放された立教は最終回に得点できず、1回戦敗退となってしまった。

立教は4番・神谷の5打席4安打をはじめ、2回の8失点からの反撃、7回のコールド負けの危機から驚異の4得点など3年間培ってきた実力を存分に発揮し、最後の試合にふさわしい数多くのプレーをみせた。

5打数4安打、守備でもビッグプレーを見せた3年・神谷(写真左)

早稲田は出場した3年全員の安打含め、この試合22本のヒットを記録した。中でもこの日スリーベースヒットを含む全打席安打を達成した3年・野々村は、「この試合に勝てば仲間と出来る野球期間が延びるということで、頑張って打ちました。」と話す。そして「特に、人一倍練習熱心なバッター(眞知田)に繋ぐ意識を持って打席に臨みました。」と3年間で築いてきた絆について熱く語った。

3年にとっては負けたら引退となる最後の大会。1プレーごとに3年間の想いを乗せて躍動する3年生の活躍に、次戦も期待したい。

この日5打数5安打の5番・野々村

早稲田は自慢の打撃力で2桁得点をマークした一方、守備のもたつきやミスが非常に多かった。攻撃は水物であり、大量得点が期待できない時に守備力は勝敗を左右する重要な鍵となる。勝てば決勝に進むことができる次の慶應戦、早稲田はどう立ち向かうのだろうか。

文:北村悠真

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です