勝ち点奪取へ、乱打戦を慶應が制する|立教×慶應 2回戦

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◇立教10-11慶應
9日・立川公園野球場

9月とは思えない暑さの中行われた立教×慶應の2回戦。初回から両チームともに点の取り合いとなったこの試合は、慶應が1点差で立教を下した。これにより、この対戦カードは第3回戦までもつれ込むこととなった。

1回戦で立教に負けを喫し、勝ち点獲得の為にこの試合に勝利するしかない慶應の先発は坂齊秀哉(都立桜修館)。その坂齊に対し、立教打線が初回から襲い掛かる。1番,2番が四球を選びいきなり0アウト1,2塁と先制のチャンスを演出すると、3番・岡海善(県立浜田)のライトへのタイムリーヒットで立教が幸先よく先制点を挙げる。続く4番・廣田悠斗(日本大学習志野)のショートへのゴロがエラーを誘い、その隙をついてランナーがホームイン、立教が初回に1,2,3,4番で2点を挙げることとなった。

立教の先発は、前回の慶應戦で6回2失点の好投をみせ慶應打線を苦しめた田中歩武(県立厚木)。その田中に対して、2番・時田海登(芝)のレフトヒットを皮切りに慶應打線が爆発する。3番・小美野晴寛(早稲田)のセンターヒット、4番・溝江翔太(明治大学付属明治)の四球で1アウト満塁のチャンスを作ると、5番・初澤遼太郎(東京農業大学第一)のセンターへのタイムリーヒットで慶應が2点を取り返し試合を振り出しに戻した。このヒットについて初澤は「先制されていたので、ここで打たないと流れが立教に持っていかれると思い打ちました。」とコメントしている。続く6番・鳥居智(関東学院)のセカンドゴロがエラーとなりその間に1,2塁のランナーがホームイン、慶應が勝ち越しに成功した。その後もスクイズなどで点を挙げこの回慶應は一挙5得点を挙げ、立教を大きくリードする形となった。

味方に大量の援護をもらった坂齊は2回表の立教の攻撃、ヒットを打たれつつもけん制でアウトを取るなどわずか8球、3人で抑えた。そしてその裏の慶應の攻撃、2アウトから3番・小美野がセンターへの3ベースヒットで出塁すると、4番・溝江がセンターへのタイムリーヒットを放ち、リードを4点に広げた。このタイムリーヒットについて溝江は「3塁打でチャンスを作ってくれた小美野をなんとかホームに返したいと思って打席に立ったので、タイムリーを打つことができ、良かったです。」とコメントしている。

なんとか追いつきたい立教は、3回表、3番・岡と4番・廣田がそれぞれ四球とヒットで出塁し1アウト1,2塁のチャンスを作る。すると6番・小畑綱(県立所沢)がライト方向へ打ち返した打球がタイムリー2ベースヒットとなり、2点を返す。続く7番・前田耕生(東北)もレフトへのタイムリーヒットを打ち、この回3得点を挙げた立教が慶應を1点差というところまで猛追。そして4回表、1番・齊藤仁生(県立海老名)がライトへのヒットで出塁すると、盗塁とエラーで進塁し1アウト3塁のチャンスを作る。そして続く2番・杠拓登(市川)が11球粘った末に12球目をライト方向へ運んでタイムリーヒットを放ち、立教が慶應に追いつき試合を振り出しに戻した。ここで慶應はピッチャーを近藤多玖朗(県立湘南)にスイッチ。このまま勝ち越したい立教であったが、続く3,4番が近藤に抑えられ勝ち越すことはできなかった。

同点で迎えた4回裏、先頭打者の9番・西目光太朗(県立前橋)がエラーで出塁すると続く1番・髙村泰彰(県立水戸第一)が四球を選び0アウト1,2塁と勝ち越しのチャンスを迎える。このチャンスに前の打席でタイムリーヒットを放った4番・溝江がレフトへ2ベースタイムリーヒットを放ち、再び勝ち越しに成功した。更に、5番・初澤もセンターへのタイムリーヒットを放ち、リードを更に広げた。

その後慶應は5,6,7回にそれぞれ1点ずつ追加、立教も6回に2点を挙げるが追いつくことはできず、慶應の3点リードのまま試合は9回表に突入した。

勝利の為に何としても得点するしかない立教は、先頭打者の6番・小畑がレフトへのヒットで出塁する。続く7番・前田がレフトへの2ベースへのタイムリーヒットを放つと、8番・北山竜羽(県立水戸桜ノ牧)もライトへタイムリーヒットを放って慶應を1点差まで追い上げた。更に四球や犠飛などで1アウト1,2塁と一打勝ち越しのチャンスを作る。しかし、続く打者を近藤がダブルプレーに抑え、試合は10対11で慶應の勝利となった。

試合を振り返ると、慶應の4番・溝江は3安打3打点5出塁、5番・初澤は2安打3打点3出塁とクリーンナップが大活躍した試合であった。自身の活躍について溝江は「立教大学には、既に1敗していたためこの試合には絶対勝って第3戦に持ち込みたいと思っていたので、チームの勝利に貢献することができ、とても良かったです。」と振り返り、初澤は「まずはチームの役に立てて良かったです。負けが続いていたので、ここからチームの皆の力を合わせて勝っていきたいです。」と次戦への意気込みをあらわにした。


1回戦同様、今回の試合も1点が勝敗を分けることとなった。両チームとも勝ち点奪取、そしてリーグ優勝に向けてチームの勢いを加速させることができるか。今後の両チームの戦いぶりに注目したい。

文:遠藤蒼依

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