史上初の「東大球場決戦」も気に留めず。東大が狙うは金星のみ! | 東大―早稲田 1回戦
令和元年5月11日、リコタイ六大学野球に新たな1ページが追加される。東京大学硬式野球部の本拠地である東大球場(文京区・東大農学部キャンパス内)で、リコタイの公式戦が行われるのだ。記録が残っている限りでは初の試みとなる。
東大球場は東京六大学野球連盟各校の練習グラウンドとしては最も古い歴史を誇る。2010年9月には日本の野球場として初めて文化庁登録有形文化財に登録された。
歴史ある東大球場での記念すべき最初のカードでは、”ホームチーム”の東大とリーグ三連覇中の早稲田が激突する。憧れでもある東大野球部の本拠地での試合を前に気持ちが高まっているかと思いきや、東大・小林幹也主将(東海)はあくまで冷静だ。「硬式野球部が普段使っている球場で試合ができることはとても嬉しいですが、そこまで意識してないですね(笑)」と明かす。それもそのはず、普段は目黒区・駒場キャンパス内の練習場を中心に使用しており、「ホームと呼べるのはどちらかというと駒場の方」だという。
東大球場も何回か使ったことはあるが、「やはり綺麗な球場なので(試合ができるのは)シンプルに嬉しいです」と素っ気ない。 どこの球場で試合をしようと、東大が欲しいのはあくまで一勝だ。今季ここまでの2試合は、中盤まで競りつつも後半に離される展開だった。「今年の東大は良い試合をしただけで満足するつもりはありません。先の2試合の反省は充分に終え、王者・早稲田に勝つ準備は万端です」と小林主将は意気込む。
自分たちのキャンパスの中にあるグラウンドで、負けるわけにはいかない。「持ち主」の方も同じ頃に神宮で優勝候補の明治に挑む。文武両道を地で行く東大生の意地とプライドを懸けた注目の一戦は、14時15分プレーボール予定。
写真・文:小池颯