慶應あと1本が出ず。接戦を制した東大が躍進の3勝目│慶應×東京 2回戦

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◇慶應4-5東京
28日・検見川総合運動場

慶應は最終回で一発逆転のチャンスを掴むも、願いかなわず。東大が1点差を守り切り、2021シーズン最終戦を勝利で収めた。

1回裏と2回表でそれぞれ2点ずつ得点すると、その後は東大・小川幹太(県立相模原)と慶應・小峯丈明(慶應義塾)の両投手を前に打線が沈黙し、我慢の展開が続いた。

沈黙を破ったのは8回裏、東大の攻撃。6番・牧島俊介(浅野)が四球で出塁すると、続く7番・天池空(県立相模原)の安打や代打・金井瞭真(東海)のバントヒットで塁を進め、相手のエラーの間に1得点。すかさず2番・村山倫太郎(県立新潟)が低めのストレートを左中間へ放ち、走者を一掃した。この回一気に3点を獲得し、慶應を突き放した。村山は「これまでの試合では、投手陣が相手打線を抑えてくれているのに守備のミスやチャンスでの凡退で勝ちをつけることができませんでした。最後の試合はなんとしても勝ちをつけたかったです。」と振り返り、「タイムリーヒットを打てて嬉しい気持ちもありますが、好投手を相手にみんなで作ったいい流れの中で打席を回してもらったので、チームメイト全員のおかげで打てたヒットだと思っています。」と謙虚に語った。

8回裏の打席は「勝ちをつけたい」という思いが一層強かったという東大・村山

この勢いのまま東大が逃げ切るかと思われたが、「絶対勝つぞ」と勝利を諦めなかった慶應が最終回で意地の猛追をみせる。リーグ戦初出場の細野裕介(慶應義塾)がライト前にヒットを放つと、1番・福井龍介(慶應義塾)が相手のエラーで出塁。2アウト1,2塁の場面、打席に立ったのは兄弟対決も見所だった小川岳登(県立相模原)。右中間を破るタイムリーツーベースヒットで東大と1点差に迫る。この場面について小川は、「細野(細野裕介)と福井(福井龍介)がつなげてくれた打席をなんとしても後ろにつなぐという思いと、まだみんなと野球を続けたいという思いがありました。」と振り返った。さらに、「天池(天池空)と幹太(小川幹太)のバッテリーから最終打席でヒットを打てたのは嬉しかったです。」と重ねた。

5打席目でようやく本来のバッティングを披露した慶應・小川

その後、相手のバッテリーエラーで走者は3塁に。一発逆転のチャンスを奪い、今季クリーンナップで活躍した横山春平(東海大学付属浦安)に勝利の行方を託す。しかしベンチからの熱気も虚しく、5球目に放った打球はライトのグローブに。東大が接戦を制し、今季3勝目を挙げた。


両校の3年生は今試合をもって引退となる。2021シーズンは終盤で勝ちきれず苦戦続きとなった慶應と、フレッシュなメンバーが活躍し「まずは1勝」という目標を見事に上回った東大。両ナイン、今シーズンの経験が来年の糧になることを願いたい。

文:花原彩夏

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