コールドで2連勝!実力見せつけた早稲田が快勝│早稲田×東京 1回戦
◇早稲田13-4東京 6回コールド
28日・第一カッター球場
気温も上昇し快晴の野球日和の中で行われた一戦は、昨季の「王者」と「台風の目」の対決。まさにその呼び名に相応しい試合展開であったが、最終的には早稲田が実力を見せつけて6回コールド勝ちを収めた。
まず試合を動かしたのは東京。初回の攻撃で1番・村山透滉(白陵)が四球と盗塁で2塁に進むと、続く日根貴弘(都立大泉)がライトへのヒットを放ち先制に成功した。さらに3番・田中虎太郎(県立盛岡第一)も出塁し、ダブルスチールと悪送球の間に日根がホームに還って2点目を獲得、理事の杉山紀成(県立浜松北)の犠牲フライで幸先よく3点のリードを奪った。
しかしスタメンを全員3年生で構成した早稲田は、昨季王者の打力を充分に発揮してビックイニングを作った。
1点を返して迎えた3回、先頭の河野太(県立日立第一)が四球で出塁すると佐藤塁(桜美林)と野々村俊佑(滝)の連打と牽制悪送球の間に同点に追いついた。さらに7番・長谷川翔大(県立千葉)の犠牲フライで勝ち越したのち、9番・間根山晴基(県立竜ケ崎第一)のタイムリーと押し出し四球などで一気に6点を奪って試合の流れを引き寄せた。
そして2回からマウンドに上がった1年生の新井大悟(川越東)が3イニングを投げ、5者連続奪三振を含む無失点の完璧なピッチングを披露した。さらに2点を加えた4回、1アウト3塁のチャンスで打席に入った新井は右中間へのタイムリースリーベースを放ち、自らのバットで試合を決定づけた。
投打で活躍し最高のデビューを飾った新井は「試合で投げるのは久しぶりだったので楽しみでした。ストライク先行でテンポ良く投げられるように意識しました。」と投球を振り返り、「相手ピッチャーのボールが速かったので振り遅れないように意識しました。」と語った。
その後も4番の佐藤(塁)や今季バッティングが好調の6番・石井蒼月(山手学院)、ピッチャーの藤本怜児(都立西)のヒットで6回までに10点のリードを奪った。
しかし東京も意地を見せる。6回、主将の小川幹太(県立相模原)が四球で出塁すると続く4番・中山太陽(県立宇都宮)がセンターへのヒットを放ちチャンスを作った。さらに杉山のバントとワイルドピッチの間に小川が生還し、1点を返したが反撃はここまで。早稲田が投打で実力を発揮し、快勝した。
今回の試合で先発し、猛打賞を記録した4番の佐藤(塁)は「最初の打席は二刀流ということで少し力が入りましたが、その後の打席は結果を気にせず力まずに狙った球を振り切る意識で打席に立ちました。自分は繋ぎの4番目なのでチャンスを作ったり、得点圏でランナーを返すことを常に意識していました。」と自身の打席を振り返った。加えて「次戦以降も流れに乗っているチームとの試合が続きますので、自分たちの攻め方ができるようにしっかり練習していきたいと思います。今回の試合のような意気込みで試合に臨めば自ずと結果はついてくると思うので、120%の準備をして次の試合に挑みます!」と次戦への意気込みを語った。
安定した打線の繋がりを見せる早稲田と爆発力がある東京の試合は、ルーキーと3年生の活躍で早稲田に軍配が上がった。早稲田が連勝で勝ち点を手にするのか、それとも東京が3戦目に持ち込むのか。今後の行方に注目だ。
文:浅野希子