打ち勝つ野球で慶應がコールド勝ち!│東京×慶應 1回戦
◇東京1-8慶應
24日・上柚木公園野球場
猛暑が続く8月下旬。上柚木球場では暑さに負けない熱い戦いが繰り広げられた。今季初対戦の東大と慶應。今年のチームスローガンである“打ち勝つ慶應”を体現したプレーが光った。
慶應の先発は期待の一年生、増尾朱馬(川越東)がリーグ戦初先発とは思えぬ堂々としたピッチングで2回を無失点に抑える。続いてマウンドを託された棚橋佑介(県立関)もランナーを出すものの後続を断ち、無失点で切り抜ける。
一方、東大の先発・小川幹太(県立相模原)は得点圏にランナーを抱えながらも要所を締めた冷静な投球で先制を許さず。両者一歩も譲らぬ好投で序盤はスコアボードに0が並ぶ展開が続いた。
均衡を破ったのは慶應。5回裏、1番・真崎大祐(慶應義塾)のタイムリーツーベースヒットで先制点を挙げる。そして3番・横山春平(東海大学付属浦安)の好打によりこの回2点を獲得した。
未だ無得点で何とか追いつきたい東大は7回表、連続四球で出塁し、ノーアウト1,2塁のチャンスを作る。しかし、この場面で再びマウンドに戻った棚橋は続く3人をわずか5球で打ち取り、東大の得点を許さなかった。棚橋は、「1点も与えないという強い思いを持って1球1球丁寧に投げ込んだ。」と再登板での心境を語った。
その後も慶應は7回裏で2点を加え、東大との差を広げていった。追い詰められた東大だが、8回表に底力を見せる。2番・金井瞭真(東海)のヒットと3番・小川のツーベースヒットで打線が繋がると、4番・仁村遼の犠牲フライで1点を返した。しかし、攻守ともに隙を見せない慶應の勢いを止めることはできなかった。8回裏、9番・関口直弥(芝)のタイムリースリーベースヒットなどで得点を重ね、続くランナーも四球で出塁すると、代打の小野田優亮(栄光学園)がセンター前ヒットを放ち、この回4点を追加した。最後までチャンスを逃さず攻め続けた慶應は7点差をつけて勝利を収めた。
現在、厳しい展開が続く東大。この苦境を跳ね除け、今季初の白星をつけたいところである。そして、30日には暫定1位の法政との直接対決を控える慶應。両校共に勝利の流れを掴むことができるのか期待したい。
文:舟橋佳穂、水野星月