「今なら死んでもいい。」 苦しみ続けた163cmの小兵がドームで夢を叶えた瞬間。|東京ドーム 早稲田×立教

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「生還した直後は、『今なら死んでもいいな』って。野球を辞めなくて良かったなと心底思いました。小学校一年生の時から野球を続けていますが、こんなに面白いスポーツだと思ったのはいつ以来か分かりません」 

あちこちから悲鳴を上げる自らの肉体に鞭を打つその姿は、これまでの苦労を知る者にはより一層まぶしく見えたはずだ。観戦に来ていたあるOGは「純粋に野球を楽しんでいるはじめの姿を見て、勝手に親心みたいな感情が湧いちゃいました。だからこそあのヒットはめちゃくちゃ感動したし、その後の全力疾走は本当に涙が出そうで…」と語った。先輩の雄姿にカメラを向けていたマネージャーも「最後のドームに対しての思い入れがやっぱり違うなっていうのが感じられて、実際打ったときはすごく感動しました」と話す。

 

写真:山田美佑

 

「 あんなに大きいと思っていた東京ドームなのに、打席に入った時は『こんなに小さいんだ』って思いました。夢が叶って、いい思い出を頂けて、支えてくれたみんなには本当に感謝しています」

夢の舞台での二打席目は、あっけなく三球三振。ベンチに戻りながら、「魔法が解けちゃいましたね」と笑った。

 

 

 文:小池颯

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