【数珠繋ぎ式対談⑥】「No.1キャッチャーだと思う」法政・三浦斎生➡明治・金山拓矢
「バッテリー」に求められること
三浦:次に、守備について質問です!守備についての『こだわり』も聞きたい!入部早々マスクを被ってスタメンで出場してたけど、どんなことを考えて配球を組み立てているの?あと捕手として、投手の持ち味を最大限引き出すためにどんなことをやっていますか?
金山:配球については、相手チームに気持ちよくバットを振らせないことと、状況を見て次に起こりうるプレーと相手チームの動きを考えて、どのボールでカウントを整えて、いかにして自分たちが1番守りやすい状況にするかを考えているかな!投手の持ち味を引き出すためには、どのボールが1番自信があって、どのボールならいつでもストライクを取れるかっていうのを常々探してる!あとはやっぱり試合前・試合中によく話すこと。それを踏まえてどう打ち取っていこうかの大枠を考えてる!
三浦:なるほどね。状況に応じてずっと考えてるわけだ!やっぱりピッチングって投手と捕手の二人で作り上げるものだから、コミュニケーションは大事だよね!
金山:そうね!一番大事!
三浦:拓矢が自陣の投手に求めていることとは何?
金山:全部俺に丸投げじゃなくて、自分の意志を持って投げること!
三浦:なるほどね、ありがとう。俺が聞きたいことは聞けました!
三浦の考える、理想の投手像
金山:先発として、自分にとって理想の投手像とは何?
三浦:俺がまず先発の仕事として1番大事だと思ってるのが、「ゲームを作ること」。先発投手が序盤から大量失点なんてしたら、自分達の攻撃に焦りが生まれるし、なによりチームの士気が下がる。最高の形で次の中継ぎ、抑えの投手にバトンを渡せるように心がけているよ。そりゃあ出来たら、先発完投の完全試合やノーヒットノーラン等をしてみたいけどさ(笑)そんなこと俺には到底無理なので、きっちりと最少失点で終盤までゲーム運びをすることを理想としてるよ!
金山:なるほどね!先発として1番重要なことは何よりも、起用する側がある程度計算できることだと思ってる。崩されるリスクがないってのは安心して送り出せるしね。まあ、理想は27球で試合を終わらせることだね(笑)マウンドに上がる時は何を大切にしていて、何を考えている?
三浦:前回の人(慶應・宮田駿二)とも話したんだけど、試合中での野手とのコミュニケーションを大事にしてる!コミュニケーションを全く取らない投手や、自分の世界に入って周りが見れなくなる投手とかがよくいるけど、それで成功している人はごくわずかだと思う。それで失敗してる人も多く見るしね!結局のところ「仲間との信頼」「助け合い」だと思ってるから、チームメイトとの交流を多くとってバックを信頼しきった上で全力投球したいと考えてる!あと、打者との勝負に関しては「絶対三振とってやる!」とかそういう気持ちは、ごく限られた打者にしか持ってないんだ。ほとんどの対戦では打ち取ってアウトにすることを望んでる。その方が俺も力まず楽に投げられるし、野手のみんなも暇しないし一石二鳥だと思って!ただその点についても、どこに打球が飛んだとしてもその人がさばいてアウトにしてくれるって、信じて投げてるかな!まぁ知ってると思うけど、闘志剥き出しで「絶対この勝負譲らない!」とか、我が強いタイプじゃないしね~
金山:なるほど、野手と投手がお互い信頼しあって、気持ちよくプレーするための「コミュニケーション」を大切に。それがなきゃチームにならないもんね。実際、投手vs打者ってなるとピッチャーはどうしても相手打者を意識せざるを得ない。そんな中、自チーム全体vs打者って考えをできる投手はほんとに少ないと思う。まじで先発向きだし、ピッチャー信頼できるからバックは安心できる。野手は守りやすそう。
最後に…
金山:改めて自分について考えられた貴重な時間だった!いい話聞けてよかったです!対戦が楽しみだね(笑)
三浦:本当に!次の勝負が更に楽しみになった!拓矢は俺の中で「負けたくない相手」の数少ない打者の一人だから、絶対勝たせてもらう!(笑)
金山:それは、光栄です。(笑)いやー、負けないよ?
ルーキーイヤーからその存在感を示してきた二人。ともに意識し合う両者は、リーグ戦ではピッチャー対バッターとして、代表では最高のバッテリーとして、今年もこのリーグを盛り上げてくれるだろう。
取材・画像編集・記事:上野貴洋