東大主将・小林幹也(東海) 後輩に託す淡青魂「1勝ではなく全試合勝つつもりで臨んでほしい」

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◇立教11-4東大

29日・ダイワハウススタジアム八王子

 

昨季と同じ0勝10敗。しかし今季のそれは去年までとは全く意味合いが違う。残りの五大学の面々は特にその違いを実感しているはずだ。もっぱら去年までの東大戦と言えば出場機会に恵まれない選手たちがアピールする場だったが、今季はそんな試合は一つとして見当たらない。点差が付いてから多くの選手交代が行われる試合は確かにあったが、今季の東大の戦いぶりに危機感を感じた各大学が当然のように主力選手を先発させた結果がこの戦績なのである。

超がつくほどの弱小チームだった東大を戦う集団へと導いた小林幹也主将(東海)の働きは、大きな賞賛に値すると言えるだろう。 様々なポジションを守り高い出塁率で打線の核を担うだけでなく、明るい表情と声でチームを鼓舞し続けた。この日も4回に四球で出塁すると早速盗塁を決め、7回には安打で出塁し4点目のホームを踏むなど最後まで勝利を目指してダイヤモンドを駆け巡った。 

 

7回裏 柏村の適時打で生還する小林幹也

 

今季を振り返って、「結果として勝つことはできませんでしたが、来年以降に繋がる戦いができたと思います」と小林は語る。未勝利に終わったにも関わらず前向きなコメントが飛び出したのは、昨季までの惨敗ぶりが頭によぎっていたからだろう。「チームの基盤は出来たと思うので、来年以降のチームはシーズンで1勝を目標にするのではなく全試合勝つつもりで臨んでほしいです」と後輩にエールを送った。

 

小林率いる今季の東大の戦いはまだ終わりではない。リーグ戦終了後には一発勝負のトーナメント戦・ZETT杯が待っている。そこに話が移ると、いつもは質問に対して饒舌に答えてくれる小林が珍しく一言で回答した。「ZETT杯?絶対勝ちます。」 

 

東大ナインの蒼き炎はまだ消えていない。 

 

写真・文:小池颯

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