今季初のタイブレーク!昨季王者慶應が粘り勝つ |立教×慶應
◇立教1-2慶應
24日・検見川総合運動場
10月11日に行われた立教-東京の激しい打撃戦が記憶に新しい中、10月24日に行われた立教-慶應の一戦は対照的に静かな投手戦となった。
2回の攻防で互いに1点ずつ得点するも、9回終了の時点で1-1と両チーム一歩も譲らず10回からタイブレークへ。10回は両チームの投手が抑えきり無得点。この回で終わらなければ規定により引き分けとなる11回裏、先頭の5番小峯(慶應義塾)が四球を選びノーアウト満塁としサヨナラのチャンスを作る。続く6番清水(都立大泉)も2球で追い込まれてから粘り、四球。これが押し出しとなりサヨナラ。連覇を狙う慶應の粘り勝ちとなった。
立教の先発は先日の東大戦でルーキーらしからぬ投球を披露した小林陽人(桜美林)。3回を除く各回でランナーを出すも要所を締めるピッチングで5回1失点でマウンドを降りる。
後を託されたのは立教のエース野口優希(川越東)。サヨナラ負けの決勝点を与えたものの、慶應の強力打線を相手に6回を1安打で抑えるピッチング。試合後、「三振も取れていたし、全体的に調子は悪くなかった。大事な場面で四球を出してしまったのがもったいなかった。」と悔やんだ。
敗れた立教は再三チャンスを作るも、もう一本が出ず。小林、野口の両投手が踏ん張るも打線が振るわず悔しい敗戦となった。
一方慶應の先発は昨季リーグ戦MVPと最多勝の二冠に輝いた宮田(都立青山)。2回のエラーが絡んだ失点を除き無失点と、落ち着いたピッチングで5回を投げきる。その後も上田(都立三田)、河本(慶應義塾)、山本(船橋東)、日比谷(慶應義塾)の計5人の継投により先日の東大との一戦で16得点を挙げた立教打線に的を絞らせなかった。
5人の投手を巧みにリードした慶應の捕手・田中翔太(慶應義塾)は「宮田さんは変化球も低めに集まり、全体的にまとまっていてリードを組み立てやすかった。後の投手も1イニングずつの継投で悪いところが出る前にそれぞれの持ち味が出せた。日比谷は1年ながらプレッシャーのかかる場面でよく投げきったと思う。全体的に継投策が上手くはまってくれた。」と投手陣の熱投をたたえた。
MVPにはリコタイ初登板ながらもタイブレークを含み3回6奪三振の好投で慶應に勝利を呼び込んだ1年日比谷が選ばれた。(MVPの記事はこちら)
リーグ戦連覇を狙う慶應にとって昨シーズン全勝優勝を阻まれた相手から掴み取ったこの一勝は大きな価値を持つのではないだろうか。立教は敗れたものの、昨季のリーグ戦王者に対して堂々たる戦いぶり。この敗戦を糧に残りの試合を勝ち抜けるか。慶應は次週11月1日に法政(昭島球場)と、立教は11月15日に早稲田(小野路球場)と対戦する。
文・加賀谷千絵