猛攻仕掛けた慶應が法政を圧倒!│慶應×法政 1回戦
◇慶應9-1法政
30日・上柚木公園野球場
今季初の直接対決となった慶應と法政。両校ともに勝利が続き、良い流れが続く中での注目の試合は初回から目が離せない展開となった。慶應の打線が光る一戦であった。
序盤から慶應の打線が爆発する。1回表、1番・片岡壮介(浅野)がライトの頭上を越えるスリーベースヒットでいきなりチャンスを作ると、続く関口直弥(芝)もレフト前ヒットを放ち1点を先制する。その後、四球、犠牲バントと着実にランナーを進め、2アウト2、3塁の場面で打席に立ったのは豪快なスイングが持ち味の一年生・加藤優弥(さいたま市立浦和)。左中間を破るツーベースヒットで2点を追加する。慶應はこの回打者一巡の攻撃で試合の主導権を握る。
追いつきたい法政は2回裏、先頭打者の近藤幸雄(市立橘)がセンター前ヒットで出塁し盗塁でチャンスを広げ、押し出しで1点を返す。その後、3回裏から登板した山家健(都立青山)の3連続四球によりノーアウト満塁の好機が訪れる。流れに乗って得点したいところだったが続くバッターは打ち取られ、無得点に終わった。このピンチを無失点で切り抜けた山家は「開き直ってゾーンで勝負することだけを意識しました。イニングが終わったときは命拾いした思いでした。」とこのイニングを振り返った。
2回、3回と攻撃が続かない慶應は4回表、先頭の8番・石井大智(東京学芸大学付属)がレフトへのツーベースヒットを放つも、法政は3盗を許さず。続く打者も三振に抑え、法政が流れを引き寄せたかのように思われたが、1番・片岡が右中間へ大きなスリーベースヒットを放つと、その後上位打線が繋がり、2点を追加した。1回、4回と計2回のスリーベースヒットを放った片岡は「相手は強敵の法政という中で、自分の役割は塁に出ることだとわかっていたので、チームを波に乗せる最高の結果になって良かったと思います!」と振り返る。
さらに4回裏にはサード・横山春平(東海大学付属浦安)がスライディングキャッチから素早く一塁に送球するファインプレーを見せた。投打ともに躍動し、慶應はこの回に試合の流れをものにした。
5回表、5番・真崎大祐(慶應義塾)、6番・加藤が連続出塁すると7番・高橋洋輔(仙台第二)が犠牲バントでチャンスメイク。続く8番・藤井耀太(県立横浜翠嵐)がレフト前ヒットを放った。今度は下位打線が好プレーを見せた慶應はこの回に2点を追加し、法政を引き離した。
6点リードで迎えた7回表、8番・石井がダメ押しのスリーベースヒットを放ち、1番・片岡の犠牲フライにより生還。石井はこの試合で3打席連続安打を放った。4回から7回、山家は打たせて取るピッチングで法政に反撃の隙を与えず。なんとか反撃したい法政は7回から登板した棚橋祐介(県立関)を相手に三者凡退に倒れ、7回コールド負けに終わった。
着実に勝利を重ねていた法政はここで暫定2位に後退。後半戦での巻き返しに期待したい。一方、投打が噛み合い見事に快勝した慶應。2試合連続のコールド勝ちを収めた。この勝利の流れをリーグ後半戦にも繋げていきたい。
文:尾上奈優、舟橋佳穂、水野星月