立教期待の新星が175球の粘投で完封!|早稲田×立教 2回戦

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◇早稲田0-1立教
7日・上柚木公園野球場

2022シーズンもいよいよ後半戦に突入し、それぞれのチームが勝ち点や順位を意識し始める中、昨季終盤まで優勝戦線を引っ張りデットヒートを繰り広げた2チームによる対戦は息詰まる投手戦となった。

試合前から雨が降りしきる中、両投手の立ち上がりが不安視されたが、お互いにそれを振り払う投球を見せた。

立教は今季2試合目の登板となったルーキーの齊藤仁生(県立海老名)が期待を一身に背負い登板。初回からいきなり満塁のピンチを作るも要所でギアを上げるピッチングで早稲田打線を抑える。

対する早稲田の先発は昨季リーグ戦4勝を挙げた3年生の藤本怜児(都立西)。独特のアンダースローから投じられる100キロ前後のボールで立教打線を相手に凡打の山を築き上げ、3回までパーフェクトピッチングを見せる。

6回1/3を4安打1失点と好投で試合を作った藤本

試合は4回裏、ここまでテンポの良いピッチングを続けてきた藤本から先頭の櫻木慶伍(県立天白)が四球を選び、立教はこの試合初めてのランナーを出す。ここまで完璧に抑えられてきた立教が試合の流れを掴むかと思われたが、続く2番小林陽人(桜美林)の打球はセカンド正面に転がりダブルプレー。ここは早稲田の堅い守りに阻まれ、立教は流れをつかみきれない。

好守の流れに乗る早稲田は、直後の5回、先頭の遠藤一成(桐光学園)が三塁線に鮮やかなセーフティーバントを決めると、その後1アウト2塁の場面で打席には昨季首位打者の甲崎孝裕(早稲田大学高等学院)。その後も今季18打数10安打(試合前まで)と好調の石井蒼月(山手学院)、主砲佐藤塁(桜美林)と願ってもない好打順であったが、立教の齊藤をとらえきれず無得点に終わる。その後も両チームともに毎回得点圏に走者を置くも、ホームベースが遠い展開が続く。

均衡が破れたのは7回、先頭の1年生谷田部雄太(立教池袋)がヒットで出塁し、続く齊藤が初球で犠打を決め得点圏に走者を置くと、打席には今季わずか19打数1安打にとどまっている丸田善大(県立瀬谷)。先日の注目選手インタビューでの「一番甘い球がきやすい初球に自分のスイングをすることが大切だと思っています。」との言葉通り、初球を振りぬくと、打球はレフト線へと運ばれタイムリーツーベースとなった。この打席について丸田は「初球から自分のスイングができ、前の人の出塁を生かし打点につなげることができてよかったです。」と語った。
打たれた藤本は「ピンチの場面で粘り切れなかったのが悔しいです。それでもバックの守備に助けられ、6回までは抑えることができました。特にセカンドの甲崎とショートの野中(野中大聖<西南学院>)には感謝しています。次こそチームを勝ちに導くピッチングがしたいです。」と振り返った。

待望の先制点にベンチを飛び出し大盛り上がりの立教ナイン


結果的にこれが決勝点となり、終わってみれば先発齊藤が9つの四球を出しながらも175球を投げ切り完封勝利となった。

先発の斎藤 エース小林を脅かす存在となれるか

齊藤をリードした捕手の石井滉太郎(世田谷学園)は、「ランナーを背負う場面が多々あったけれども動揺せずによく投げ切ってくれたと思います。ゾーンに入れば打たれないと思っていたので、コントロールがまとまっていてよかったです。」と後輩をねぎらった。
また、齊藤自身は「制球に苦しみテンポの悪い投球になってしまいましたが、守備の皆さんに助けられて何とか粘ることができました。次回は逆に味方を助けるようなピッチングができたらよいなと思います。」と試合を振り返った。


これで本カードは互いに1勝を挙げたため、第3戦に突入する。明治と法政の首位争いに割り込むためには、下位相手に取りこぼすことのできない早稲田と昨年の雪辱を晴らすために後半戦の逆襲を狙う立教、ともにプライドをかけた戦いを期待したい。

文:相原樹

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