「一つでも多くスコアボードに0を」注目選手インタビュー|早稲田大学編

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#5 山田純平(3年・國學院大學栃木)

理事と投手の二刀流で活躍する山田

ーーキャプテン(3年・永田将義)から後半戦のキーマンとして名前を挙げられたことについてどう思うか教えてください!

まず誰かに何かで選ばれるということ自体嬉しいです。
ただそれ以上に、理事としても活動していく中で、チームメイトに「信頼される人」になることを目標としていたので、特別な嬉しさを感じます。

ーーなるほど。ありがとうございます!
次に、キャプテンからの指名理由として、癖の強い投手陣の中で「純ちゃん(山田純平)の球の速い部分が生きる」というものがありました。
自分の投手としての特徴はどのようなものだと思っていますか?

早稲田にはいろんなキャラの投手がいて、仲間としてもすごく面白い投手陣の中で野球ができています。見ているだけでも楽しいです。
その中での自分の持ち味は、球筋にあるかなと思っています。
確かにマサ(永田将義)が挙げてくれた通り、早稲田の中では速球を投げる部類に入りますが、とても速球派なんて名乗るには恐れ多いです(笑)
プロ野球のスカウトがドラフト候補のピッチャーを語るときに、背が高いとか、肩が強いとか、手足が長いとか、バネがあるとか、そういった身体的特徴に将来性があるという評価をすると思いますが、自分にはどれも当てはまらないと高校生の時に気付き、では何が自分の持ち味なのかを考え出したところ、周りと比べて股関節は柔かいという答えにたどり着きました。
マネージャーが撮ってくれる写真で見ても分かるくらい、上から投げているのにアンダースローの怜児(2年・藤本怜児)と同じくらい股関節に割れがあるフォームになっています。
だから、平均的なスリークォーターのピッチャーに比べてリリースの高さが低いうえに、リリースの位置も打者にやや近くなることで、バッターは思った以上に手元で伸びる印象を受けることになります。
そういう形になるように、投球フォームを作ってきました。

ーー個性の強い早稲田の投手陣について、ライバル視する選手だったり、見習いたいと思ってる投手がいたら教えてください

投手陣の中でも登板数の多い石井(3年・石井智己)、工藤(3年・工藤智裕)、さとしゅん(2年・佐藤春介)、怜児(2年・藤本怜児)は、みんな1回の登板で複数イニング投げることが多いです。
慶應戦以外1回しか投げていない自分(インタビュー後の対明治2回戦では4回1失点の好投)と比べると、試合をしっかり作ってくれて、チームに対する貢献度が高いと思います。そこは仲間ながらリスペクトしているし、見習わなきゃいけないと思っています。
今年の早稲田は出せる投手の枚数が多いとはいえ、それに甘えて短いイニングだけ投げていれば良いわけではないと思っています。
9月14日の明治との1回戦は、試合日程が決まった日からずっと、中2日で続く17日の対立教1回戦もチーム内では意識していました。
リーグ戦の規定が2勝先取制から2回戦制に変更された以上、第1戦も勝ちに拘らなきゃいけない状況で、どう投手を割り当てていくか。ということを考えていたら、まさしく「二兎を追う者一兎をも得ず」と早稲田に諭すような明治の打線爆発で、今季初のコールド負けを食らわされてしまいました。
その明治戦では8点差がついてから自分が登板して、1回を投げて3つのアウトを全部三振で取ることができました。
ベンチに帰ると、「もっと早く純ちゃん出しておけばよかった~」という声が聞こえましたが、もし自分が「もっと早い回からゲームを作る役割を任せられるようなピッチャー」だったら試合を落とさずに済んだかもしれません。
今季唯一2イニング投げた慶應戦で、その2イニング目に連打を浴びたのが主将・監督陣の記憶にあったんじゃないかなと思います。
シーズン残りそれほど多く残ってはいないですが、今後はスコアボードに0をできる限りたくさん刻みたいです。
チームの勝ちに貢献できるピッチャーの方が格好良いですし!

ーー昨季,昨季と登板がなかった中で、最終年の今期(後半戦)にかける思いを教えてください

実は、一昨年の立教戦で1度だけマウンドに上がっているんです!
しかし、その試合で肘を痛めて緊急降板してしまいました。その試合であとを引き継いでくださった多田さんには叱っていただいた記憶があります。
その肘痛は高校3年の時に始まったもので、それが再発したことでりここうに対するモチベーションも上がらずにいました。
しかし、理事になり練習に顔を出すようになって、チームに自分の居場所があることに気づきました。
そんなチームの期待に応えて、スコアボードに0を並べることが後半戦の目標です!

取材・文:高橋孝太

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